不動産運用の悩みに役立つ書籍
また、外張断熱工法ではない木造住宅の柱の部分や軽量鉄骨住宅の鉄骨部分は、建物の外側と室内側をつなぐ熱橋(ヒートブリッジ)となって結露の発生が心配される部分です。
外部から断熱補強(付加断熱)を行って断熱性を高めることで、結露の発生をできるだけ食い止めることを考えるべきでしょう。
④内部結露の防止 内部結露は、一過性のものであれば結露しても乾くため、発生量が少ない限りでは問題とはなりません。
慢性的に発生するような内部結露の防止には、建物の計画段階で室内側に防湿層を設けることが必要です。
壁の中の温度勾配の中で、露点に到達した部分で結露が起こる可能性が高くなりますので、その元となる水蒸気が室内から壁内に侵入しないよう、ポリエチレンフィルムなどを張って防湿層とするわけです。
水蒸気が流入しやすいコンセント、スイッチボックスなどにも防湿シールなどを施す必要があります。
結露の発生は、カビやダニの繁殖を活発にして室内空気環境を汚染します。
また、室内での結露によ-窓枠が腐食するだけでなく、壁体内で結露が発生する場合には、断熱性能が低下し、構造体の劣化を早め、建物の耐久性や「住み心地」が大き-損なわれます。
家づ-りを考える上では、建築工法において結露を抑える方法をどのようにとっているのかを十分吟味しなくてはなりません。
以上8つの 「住み心地」を見極めるキーワードをご紹介しました。
次の章からは、「住み心地」をテーマにした場合に、どのような「構造」や「断熱方法」で家づくりを行ったらよいの かについてご説明します。
住み心地を重視して構造を選ぶ「住み心地」を重視した家づ--を考える場合、どのような構造で建てたらよいのでしょうか。
建物の構造とは、人間で言うところの 「骨」 でまさに「建物の骨組」 のことです。
荷重や外力に対抗するために、必要な部分をどのように組み合わせるかということで、家を建てるときのもっとも重要な要素のひとつです。
従来から建物の構造の専門家は、建物の構造について以下の①②③の観点から検討していました。
①強度(耐震性・耐風性)・安全性(耐火性) ②耐用年数(防蟻性能、耐候性) ③メンテナンス (維持管理面) 本書は、「住み心地」が良いことを重視した家づくりを目的としているので、 ④快適性(人を癒す「住み心地」の良さ)という観点を加えて、おもに個人の住宅の場合について考えていくことにします。
構造だけでは差が出ない まず、建物の大前提である強度を再確認します。
「住み心地」がいかに良-ても、地震や台風が来たら心配な建物では安心して過ごすことはできません。
十分な強度と耐久性のある建物にすることは、建築の基本中の基本と言えます。
さて、それではどのような建築方法で家を建てればよいのでしょうか? 結論から言えば、3階建てまでの「個人住宅」を建てる場合、強度のレベルを決めて構造計算して建築すれば、木造であれ鉄骨道であれ鉄筋コンクリート造であれ、同じ強さが出せます。
つまり、個人住宅のレベルでは、構造の種類による強度の強弱はあ-ません。
意外に思う方もいらっしゃるかもしれませんね。
特に木造の建物は、従来は構造計算は実施しないことがほとんどでした。
それに比べると、しっかり根拠をもって計算して建築されている鉄骨造や鉄筋コンクリート造のほうが強度が高いと言われていました。
しかし、建築基準法の改正によ-、木造住宅も構造計算が実施されることが多-なったので、その結果、どの構造を選ぼうとも同じ強度が実現できるという状況になってきたのです。
その構造の強度には、以下のような3つのレベルがあります。
耐震等級-レベル (建築基準法レベル) 耐震等級2レベル (基準法の a倍) 耐震等級3レベル (基準法の-・5倍) どのレベルの強度の構造計算をしているのかを確認して、自分で安心できる強度にしてもらえばよいのです。
構造計算すれば、強度は同じ-とすればどんな構造で住宅をつくるかは、もう個人の趣向の話と思うかもしれません。
しかしここまでお読み-ださった皆さまは、家は強さだけでなく、快適性(人を癒す「住み心地」の良さ)という観点を取-入れるべきだとお考えのことと思います。
「住み心地」 の良さという観点では、どのような構造・工法で建築すればよいのかの結論を出さねばなりません。
ただし、「住み心地」が良いかどうかを判断するには、この 「構造」だけでは不十分で、もうひとつの建築要素が必要です。
それは、断熱工法です。
断熱については、たくさんの断熱材・断熱工法があ-ますので、次節で詳しく解説します。
断熱工法のメリットとデメリット 木造における断熱工法は、大きく分けて2種類あります。
M図14の内断熱と外断熱を参照) じゅうてん A・充填断熱工法 繊維系断熱材を柱と柱の間に挟み込む(充填する)断熱工法。
気密・防湿シートを張った枠組壁工法(2×4工法) の枠組みの内部にグラスウールやロックウールを隙間な-充填する欧米の充填断熱法に比べ、日本の在来木造の充填断熱法では構造の軸組内に筋交や固定金物・胴縁があるため、断熱材に隙間が生じやすいという事情があります。
そうした隙間だらけの充填断熱工法が従来から行われてきた結果、壁体内部で結露が発生し、断熱性の低下や構造躯体の劣化が指摘されて社会問題となったこともあります。
ここでいう「間違った充填断熱方法」とは、 ①筋かい・固定金物のため壁厚の半分程しか断熱材を入れることができず、対流が発生して熱が逃げる ②裸のグラスウールでは皮膚障害を起こすのでビニール袋に入れたものを使うため、隙間な-断熱材をつめるのが困難である(気密施工が困難) ③床下から小屋裏までが壁の空洞を通じてつながり、特に冬場大きな熱損失を発生させる(壁内結露の危険性) といったものです。
正しい充填断熱方法とは、 ①軸組内部に断熱材を隙間なく充填する(対流の防止) ②断熱材の室内側に気密防湿層を施工 ③断熱材の外側で水蒸気が結露しないよう通気を設ける ということになります。
正し-断熱すれば、充填断熱工法は有効にその役目を果たします。
確かに技術的には難しい面もありますが、内部結露問題を契機に、最近では確実な施工で断熱性を確保しつつ、結露を回避する工事を行う住宅会社も増えてきています。
充填断熱工法のメリット・デメリットをまとめると以下のようになります。
充填断熱工法のメリット①ローコストである②外装材料の選択肢が広い③建物の形状を複雑にできる④断熱材の厚みを調節しやすい⑤施工できる会社が多い充填断熱工法のデメリット①気密工事が煩雑で難しい②配管・電気配線工事では融通性に欠ける③木部は断熱材の約3分のIの断熱性なので、柱が熱橋となり熱が逃げやすい④施工不良があると結露の心配があるB・外張り断熱工法建物の外側を発泡樹脂系断熱材で切れ目なく包み込む断熱工法。
外張り断熱を壁・屋根・基礎のどの部分まで行うかで、3種類に分かれます。
①壁だけ外張り断熱工法(屋根・床下は充填断熱) ②壁と屋根だけ外張-断熱工法(床下は充填断熱または基礎内断熱) ③壁と屋根、基礎を外張-断熱工法(完全外断熱工法) p87図14は「ソーラーサーキットの家」 における外張り断熱工法の例です。
そもそも外張り断熱工法は、木造の充填断熱工法のデメリットの項目に挙げられる「気密施工が難しい」「熟橋による断熱不足」「結露の対策」などの問題点を解決する一つの方法として考えられたものです。
外張り断熱工法のメリット・デメリットは以下のようにまとめられます。
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